2021 2/11~12

2/11

 

早朝から労働の日。

朝5時半起床。

体調はまあまあ。

顔の火傷はまだ少し痛む。

 

労働について。

パートの大先輩お姉様方やお兄様方は、

仕事をテキパキ無駄なくこなし満遍なく気を回し、仕事の効率の向上の為、そして何より自分が楽しく働く為に、常に機嫌よく立ち回る。

 

そして、変な時期に突然アルバイト採用され週3程しか働いていない八百屋にしては化粧の濃い24歳女体に対し、

 

「一人ひとりに色んな事情がある。サトちゃん(サトちゃんと呼ばれている)がこれからもこの仕事を続けていくかどうかは自由にしたらいいよ。でも仕事は教えるからとりあえず先のことは考えず今は目の前にあることを一つ一つこなせばそれでいいよ」

と言ってくれた。

 

大人だ…。

この上なく大人。

兎に角とてつもなくオトナ、だと思った。

そして、私が目指したい人間そのものだと思った。こういう人にたまに出会うと、何処か知らない広大な土地に緑のにおいの風が吹き抜ける。

 

というか私だってこうなる筈だったのに、全然意志はあるのに、常に自分いけます!と大口叩き散らかし回しているのに、一体いつまで助けてもらう側に居るつもりだろうか。

キンキンに冷房を効かせた祖母の部屋のベッドの、硬いマットレスでゴロゴロと漫画や小説を読みながら殆ど誰とも会わず過ごした小学生時の夏休み6年間を、まだ諦められていないのか。

庇護下において、進化は有り得るのか…

私は戦いたい。

 

戦いたい?

 

 

帰宅し3時間程文章を書く。

その後小説を半分ほど読んだのち、冷蔵庫の前に寝そべり、ひんやりとした床から伝うモーター音や下水の音や自分の鼓動を確かめた。

動物が背中を跨いで行った。

 

夜、酒でも薬でも眠れなかった。

尋常ではなく腹を下していた。

気分で日本史の一問一答を解いた。

 

 

 

2/12

 

2週間ぶりに病院へ行った。

可もなく不可もなくだが、意識のある間中動悸がしてくたくたになったり呼吸困難になったりすることはなくなったので、一度錠剤を休んで漢方のみにし様子を見てからまた薬を変更してみるとの方向に帰結した。

 

依然として嫌な気分は続いているが、嫌な気分の時にしか感じ取れない文章や楽しめない映像作品がある事は確かであり、それらに触れ放題であると思うとわくわくしてくる。

やはり自分はどう考えてもオプティミストである。しかし、否、只の馬鹿だ、とは言わせない程の知力を蓄える必要があるとは思う。

 

 

贔屓にしているアイドルグループのメンバーが熱愛報道を理由に脱退を発表した。これには、結構気分が落ち込んでしまった。やるせなく、少しだけ涙も出た。そんな事でこれからも見続けられたはずの、好きな芸能の未来が潰されたことが納得出来なかった。又「アイドル」の在り方や、この世界で「女」として仕事を続ける重さ等についても脳内にさまざまな意見が浮かんでは弾け浮かんでは弾け、答えはでないまま恐ろしさのみが心臓に釘打ちされた。

 

夜、洋楽天国のジョン・レノン特集を見た。

液晶の中のジョンは、水玉のハイソックスを履いたヨーコとハグをしたりキスをしたりしながら、世界の平和を願い歌っていた。

あの時サリンジャーを持った男に射殺されていなければ、今年で80歳になっていたらしい。

高校生くらいの頃はポールに注目しがちであったが、年齢を重ねればジョン派になるよと親に言われていた理由が、段々分かってきた。

音楽では自由を勝ち得ることは出来ないし、戦争を無くすことも出来ない。

だけど、夢を見ることは出来る。

人類の全員が、誰ひとりとして欠けることなく、同じ夢を見られれば良いと思った。