20210209~0210

2/9

昨日からの不愉快を引きずったまま、這うようにして労働へ向かった。

従って湯には浸かれずであった。

恐らく初潮を迎えた瞬間に失調した自律神経の為にも本来なら成る可く身体を温めておきたいところなのだが、起き上がれなかったのだからくよくよしていても仕方が無い。

「くよくよ」という言葉は、くよくよとしている心理状態を表すには面白すぎるといつも思う。何時までも、どんな時でも「くよくよ」していたい気持ちにすらなってしまう語感である。

漢方は少し効いた。

 

行きすがら労働の為のカロリーを摂取しなければとコンビニエンスストアにて玉子コロッケサンドと和風ツナパンを購入、歩きながら食す。シュチュエーションを選ばない食べ歩きは幼少から続く私の悪癖である。治す予定も今の所無い。人に嫌がられるデメリットよりも移動しながら食欲を満たせるメリットを優先する、つまり自己中心的な性格を治すというとてつもない大仕事になるからである。

三つ子の魂百まで。諦めも肝心だって。

 

駅のホームにて、小麦粉で乾いた喉を潤そうと水筒に口を付けたら、口から顎にかけて火傷を負った。職場がほぼ屋外なので、暖を取る為に茶を熱湯で作ったのを忘れていた事に加えて、その水筒は直接口付けて飲むのではなく一度蓋を受け皿にしてすするタイプであったことに気が付いたのは、口の周りに激しい痛みを覚えてからであった。

更には、マスクの中に水筒口を入れ飲もうとしたせいで、マスクの中に98℃で作ったミントハーブティーが滞留し、私の顎下の皮膚を大変苦しめた。「灼熱!」と大声で叫んでしまった。

 

労働中何かと忙しく忘れることの出来ていた顔のひりつきは、帰宅する際の冷たい風にさらされ痛みを取り戻した。

鏡を見ると、口の両端が赤く腫れている。

カンジダを患っていると思われても仕方が無い仕上がりであると思った。

 

夜、早めのバレンタインのプレゼントとして、父にクリスピークリームドーナツを渡した。

母も父に立派な缶に入ったチョコレート菓子を渡していた。おまけで私にはチョコエッグをくれた。

私の家族は、このような節目毎には何となく行動するように努力している。こういった「記念日」を、形式だけでも祝っていないとこの集団は離散してしまう、と深刻に考えての、我が家におけるささやかな抵抗と対策である。

これからも、我々一人一人が社会的動物としてのDNAに洗脳されている事を忘れず、ヒトとしての存在意識を保つ活動をせねばならないと感じた。ホモ・サピエンス

 

依然として嫌な気分は続いていたが、多量の酒と薬を交互に飲むことで意識を意図的に混濁させ、化粧も落とさず布団を逆さに使って寝た。

 

 

 

2/10

大事件が起きた。

U-NEXTの無料解約期限が1日過ぎていたかもしれないのである。

取り敢えず解約手続きは済ませたが、恐ろしいので契約の詳細は見ない。又、預金の残高も暫く確認を控える。

私は死ぬまでこういったことで心臓を痛め続けねばならないのだろうか(実質自傷行為ではあるものの)。

高校時代毎週音楽アルバムを上限いっぱいの20枚借り続けていた時期があるのだが、その頃もTSUTAYAGyaOには延滞料金を一体何万円支払ったか分からない。

いつかこのだらしなさがもっともっと肥大化し、体長6~7メートル程の、全身が棘で覆われている、孵化仕立てのグレムリンのようにちょっとヌルヌルした怪物となって私を襲いに来る気がする。そして、今のままでは確実に命を落としてしまうだろう。

考えただけで背筋が凍る未来である。その日までに全身全霊、筋肉トレーニングに勤しみ、存分にヒップアップしておこうと思う。

 

新しいスケジュール帳を買うついでに日記をつけようか迷ったが、金になる可能性のない文章は極力書かない様にしよう、とのプロ意識を言い訳にした天性の面倒クサクサ根性が働き、辞めた。先日わざわざ池袋の丸善に格好の良い手帳を…と下見に行ったのにも関わらずきっぱりと辞めた。あれは6万円の高級万年筆の試し書きに行ったのだ、と自分に言い聞かせる。書き心地がさらさらしていて良かった。

 

では、このサイトは一体何なのだ?という疑問に対し、明朗快活、声高々に、プリティな片えくぼを見せ付けながら解答をして進ぜる。

 

この文章群は、いつか私が文豪になった際に全集の後半に細やかな注釈付きで掲載され、私の作家論で博士論文を書く未来の大学院生達を大いに助けることになろうと思い、寛大な心と文化の発展への強い願い故書き殴っているのだ!

 

 

虚言の割に体調は悪くはなかったが良くもなかった。

湯にはやっと浸かることが出来た。

夜は中々寝付けなかったので、色々と悪巧みをしながら珈琲を飲んだ。